あいさつのテーマで、私はよく自分自身の体験談を話します。
「今日何かのご縁があって、この研修室の中に○人の人間が集まっています。この今集まっている私たちは誰一人同じ顔をしている人はいません。仮に、後藤美香という同姓同名の人間がいたとしても、それは今ここで話をしているゴトウミカと同じ人間ではありません。何がいいたいのかというと、この世に自分に代わる人間はおらず、誰もがこの世にたった一人しかいない、かけがえのない唯一の存在だということです。そのように自分のことを感じた時、自分という人間をとても大事にしなければ、大好きにならないといけないという考えを持つようになりました。後藤自身についていえば、たくさんイヤなことがある自分だけど、そんな自分をケッコー好きな自分がいます。そんな自分を丸ごと受けとめ、愛してあげたいという気持ちがひしひしと湧いてくるのです。また、それと同時にそんな自分を誰かに分かってもらいたい、認めてもらいたい、受け止めてもらいたい、という自分もいます。人によって差異はあるでしょうが、多かれ少なかれ人はそのように感じているのではないでしょうか。
話は突然変わりますが、人間にとって最も悲しくつらいことの一つは、自分の存在を否定され、無視されることです。皆さんは、イジメにあったことがあるでしょうか?私は中学生の時、一度だけ経験したことがあります。前日まで声を掛けてくれていたクラスメートに、次の日から突然無視されたのです。「おはよう」の声を掛けても、何もいってくれない。今、この教室に立っているのに、まるでそこに誰もいないかのように扱われる自分自身の存在。何ともみっともなく、恥ずかしく、カッコ悪くて、無味無臭の透明人間になったような自分が疎ましかったのをよく覚えています。私って一体何者なんだろう……って。 |