有限会社 オフィストレイン
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身嗜みの基本ポイントは「清潔感」

大きなウエイトを占める私の仕事の一つに、モニタリングと呼ばれる業務があります。具体的には、実際の現場で接遇レベルをチェックするというものです。月の大半をご契約頂いている店舗へお伺いさせていただいているのですが、「身嗜み」というのは手強い問題のようです。“いつお伺いしても、全員の身嗜みが申し分なし!”という店舗には、なかなかお目にかかることができません。

接客に従事するスタッフにとって、身嗜みを整えることは基本中の基本です。例えば、汚れたヨレヨレシャツを着ているスタッフからサービスを受けたいお客様はいらっしゃらないでしょう?ここでのポイントは、たった一つ。「清潔感」です。これは、第三者、すなわち“お客様”に、「あー爽やかやなぁ。清潔な感じがするなぁ」という印象を抱いてもらおうということです。加えて、お客様より華美な装飾品を身に付けないということも含んでいます。キャッシュをお使いになっているお客様を不必要に刺激する必要はありません。

しかし、「清潔感」という言葉、これがなかなか厄介なわけです。なぜなら、人それぞれによって「清潔感」の解釈が異なってくるからです。

 「清潔感」という抽象的な概念を理解するために必要な基準

ホールスタッフとして、お客様からお声を掛けやすい雰囲気を創っていくことは、とても大切なことなのです。お風呂に入る、手を洗う、鼻毛を切るなどは当然のことです。繰り返しになりますが、お客様から見て、“感じが良い”と判断していただけることがポイントです。その清潔感という抽象的な概念を、全員が同じように理解する為に、「身嗜みの基準」が必要になってきます。

私は個人的に、髪の毛の色や、指輪の本数などはできる限り自由にすればよいのではと考えています。髪留めの色が赤になったところで、そのスタッフの笑顔が半減するわけではありません。スタッフの個性を存分に発揮し、その日自分が気持ち良く働けるように暗示をかけたコスチュームを身にまとえばよいと考えてはいるのですが、実際にそのような基準(個人の自由にまかせる)で取り組んだ店舗で、清潔感ある身嗜みが徹底されている事例にお目にかかったことがないのです。理由は、明白です。「清潔感」の認識の違いから、“暴走するスタッフ”がでてくるからです。

お店のスタッフからはよくこんなことを言われます。「身嗜みについてうちの店は、とても厳しいと思います。ネックレスや、マニキュアはどうしてダメなんですか?なんだか納得できないんですよね。お客様がそれで不快に感じることはないですよ。基準がない方がいいとは思わないけど。どうなんですか?」というものです。

というかつての私も同様のことを上司に言っていたような覚えがあります。前述の質問を受けた時、私は以下のように説明しています。(あえて会話調になっていることはご了承ください)

「基準そのものをどこで線引きするのかについては、難しいよね。あなたの言っていることは、まさにこの点で、どうしてそこで線引きするのですか?ってことだよね。身嗜みの基準とは、清潔感というキーワードをおさえながら、マネジメントサイドの好みで決めていることが多いのは事実だよ。お店のイメージにあわせた一つの演出なんだから、その点については理解をしなければならないと思う。私は基本的に個性を存分に出しても良いという意見には賛成。でも、そうすると個性を履き違えて、別の方向へ突き進んでいく人がでてくるから困ってしまう。だって、基準がないと互いに判断が曖昧になるし、自分なりに勝手な解釈をする人がでてくるでしょ?基準を設けることで、双方で納得をしながら確認することができるし、こちらも指導はやりやすい。仮に暴走した人がいて誰が注意するの?みんな言いにくいからってほっておく場合が圧倒的多数。そうするとどんどん基準から離反していって、だらしない格好をしているスタッフが多いお店っていう印象になる。だから基準が必要なんだよ。しかし、一方でみんなが本当にセルフチェックが徹底できるのであれば、基準は必要ないと思うよ」という具合です。大体の場合には、このような説明で納得していただくことができます。

実のところ、身嗜みチェックは、「指摘をされる側」はもちろんのこと「指摘をする側」もかなりの気分を害するものなんです。読者の皆様はいかがですか?後藤自身もスタッフへ身嗜みについて伝えるのは、決して気分のよいものではありません。それは、一つの自己表現である身なりについて指摘をするということが、そのスタッフの存在そのものを否定することにも通じる可能性があるからです。身嗜みの基準は、相手の人格を傷つけることなく指導ができる大変便利なツールになるのです。

 日々のチェックは、徹底して行い決して妥協をしないこと

身嗜みチェックは、日々徹底されてこそ意味があります。「あそこの店のスタッフは、いつ行っても感じがいいよね」のレベルに到達するためには、日々のチェックが必要不可欠です。タイミングとしては、朝礼時に行うのが良いと思います。この時、決して妥協をなさらないようにお願いします。身嗜みが徹底されない一つの大きな原因は、「指導をしきれない役職者」にもあるのです。朝礼時に基準に反しているスタッフがいれば、勤務をさせない!ぐらいの意気込みでお願いします。とにかくその場で改善してもらってください。私が以前勤めていたお店では、ゴム、靴下、ストッキング、リップなどを事務所で販売していました。違反をしてしまったスタッフは、実費でこれらのモノを購入して、勤務に臨んでいたものでした。

また、身嗜みチェック担当者をお一人決めておくこともお薦めします。役職者であれば、どなたが担当しても構いません。判断に困ってしまうような時には、必ず担当者の指示を仰ぐようにします。そうすれば、「○○主任はOKっていったのに、△△主任はどうしてダメっていうんですか?」というような戯言は一切でなくなるはずです。チェックする側も、される側も納得できる方法です。

最後に……インストラクターとしてお店にお伺いしていて、身嗜みについて一番に伝えにくい方は、役職者です。手にはギラギラの大きな指輪、細い眉毛に明る過ぎる髪の色、散髪が必要なほど伸びきった髪、汚れたシャツなどなど…。これって私達インストラクターが伝えるのはかなりつらいんです。皆様の身嗜みのセルフチェックは大丈夫ですか?
 
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